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定年後の住宅ローンが払えない!破綻を避ける解決策と出口戦略を解説

定年後の住宅ローンが払えない!破綻を避ける解決策と出口戦略を解説

「定年を迎えれば、これまでのローン生活から解放されるはずだったのに……」 

近年、晩婚化や住宅価格の高騰、住宅ローンの完済年齢の高齢化に伴い、こんなお悩みを抱える世帯が増えています。

現役時代と同じ感覚で返済を続けようとすると、老後資金があっという間に底を突き、最悪の場合は住み慣れた家を手放さざるを得なくなることもあります。

本記事では、不動産売却のプロの視点から、定年後に住宅ローンが払えなくなる原因とその末路、そして今後の生活を守るための具体的な解決策を詳しく解説します。

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定年後に住宅ローンが払えなくなる主な原因

なぜ、多くの人が「定年後のローン破綻」に直面してしまうのでしょうか。

まずは、定年後にローンが支払えなくなる代表的な3つの原因を解説していきます。

  1. 再雇用による大幅な年収ダウンと家計の赤字
  2. 退職金での完済計画が崩れた(繰り上げ返済の失敗)
  3. 医療費・介護費や子供への援助など想定外の出費

原因①:再雇用による大幅な年収ダウンと家計の赤字

最も多い原因は、再雇用(継続雇用)による収入の急減です。

現在、多くの企業で65歳までの雇用が確保されていますが、定年退職後の給与条件は現役時代の5割〜7割程度にまで下がるのが一般的です。

  • 役職手当の消失:管理職から外れることで手当がなくなる。
  • ボーナスのカット:非正規雇用や契約社員扱いとなり、賞与が大幅に減る。

収入が減る一方で、食費や光熱費などの生活費は急には下げられません。

毎月の収支が赤字になり、それを貯金で補填し続けることで、数年以内に資金がショートしてしまうケースが後を絶たないのです。

原因②:退職金での完済計画が崩れた(繰り上げ返済の失敗)

「退職金でローンを全額返済すれば大丈夫」という計画は、一見合理的ですが、実は大きなリスクを孕んでいます。

かつては退職金で住宅ローンを完済し、残りを老後資金に充てることができました。しかし、近年は退職金の支給額自体が減少傾向にあります。

そのため、無理に退職金をローン返済に充ててしまうと手元の現金が枯渇してしまい、生活費や急な出費に対応できなくなります。

結果として「家はあるけれど現金がない」という状況に陥り、家計が破綻するのです。

原因③:医療費・介護費や子供への援助など想定外の出費

老後には、現役時代にはなかった想定外の支出が頻発します。

▼定年後の代表的な出費

  1. 医療費・介護費:自身の病気や、親の介護費用。
  2. 子供への援助:子供の晩婚化や就職難により、結婚資金の援助や孫の教育費、あるいは同居する子供の生活費を負担せざるを得ないケース。
  3. 自宅の修繕費:築20年〜30年が経過すると、屋根や外壁、水回りなどの大規模修繕が必要になり、ローンの返済を圧迫する。

このような予想を超える出費に対応しなければならず、結果的に住宅ローンを支払うための現金がショートしてしまう例も数多くみられます。

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住宅ローンの滞納を放置するとどうなる?

ここからは、実際に住宅ローンが支払えなくなり、それを放置してしまった場合のリスクを期間別に解説していきます。

  • 1〜3ヶ月:金融機関からの督促と個人信用情報への登録
  • 3〜6ヶ月:期限の利益の喪失と一括返済の請求
  • 6ヶ月以降:競売の手続き開始と強制退去の恐れ

1〜3ヶ月:金融機関からの督促と個人信用情報への登録

住宅ローンの滞納が始まると、まず金融機関から電話やハガキで「督促」が届きます。

また、支払いが一日でも遅れた時点で、通常の金利より遥かに高い遅延損害金(年率14%前後)が加算されます。
この損害金は、慌てて住宅ローンをまとめて支払っても消えることはなく、別途支払わなければならないお金です。

さらに、3ヶ月以上の滞納で「事故情報」として信用機関に登録され、新規のクレジットカード発行や借り入れができなくなります。

3〜6ヶ月:期限の利益の喪失と一括返済の請求

滞納が半年近くになると、金融機関から「期限の利益喪失」の通知が届きます。 

期限の利益喪失とは、「住宅ローンを分割で支払うことができる権利」を失うことであり、その後は「ローン残債務+遅延損害金の一括返済」を要求されてします。

数千万円にものぼる住宅ローンを一括で支払うことのできる人はほぼいないため、この段階を迎えたら実質的に家を維持するためのデッドラインを超えたと考えてよいでしょう。

以降はもともとの借入先である金融機関ではなく、保証会社が債権を引き継ぐ「代位弁済」が行われ、交渉の相手が保証会社や債権回収会社(サービサー)に変わります。

6ヶ月以降:競売の手続き開始と強制退去の恐れ

一括返済に応じられない場合、債権者は裁判所に「競売(=強制的な売却)」を申し立てます。

申し立てが受理されると家が差し押さえられ、やがて裁判所の執行官による現況調査(自宅の撮影など)が行われます。
この情報はウェブ上のサイトなどに公開されるため家の差し押さえという事実は周囲に知れ渡ってしまうことになります。

競売で落札者が決まれば、居住権はなくなり、それ以降はその家に住むことはできません。売却代金からの引っ越し費用の捻出も認められず、文字通り「身一つ」で放り出されるリスクを負うことになるのです。

なお、競売では市場価格の5割〜7割程度という安値で売却されることが一般的で、ローンの残債務を支払いきれないことがほとんどです。

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定年後に住宅ローンが払えない時に絶対にやってはいけないこと

定年後の収入源などで住宅ローンが支払えないと、焦りや不安から誤った判断をしてしまう方が少なくありません。

特に、以下の3点は事態を確実に悪化させるため、絶対に行わないようにしてください。

  • 金融機関からの連絡を無視・放置する
    無視を続けると「返済の意思がない」とみなされ、早期に法的措置(競売)に進むおそれがある。
  • カードローンや消費者金融で借金をして返済に充てる
    いわゆる「自転車操業」。住宅ローンの金利よりも圧倒的に高い金利で借りることになるため、あっという間に負債が膨れ上がり、最終的に自己破産以外の選択肢がなくなる。
  • 独断で夜逃げや放置を決める
    空き家となった自宅が荒れ果て、近隣トラブルや火災のリスクを生む。連帯保証人がいる場合は、その人に多大な迷惑がかかる。

住宅ローンの支払いが苦しくなっても決して上記のような行動をすることなく、次章でご紹介する手段を検討してみましょう。

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無理なく住宅ローン返済を続けるための3つの改善策

「まだ住宅ローンの滞納はしていないが、このままでは危ない」という段階であれば、以下の対策を検討してください。

  1. 金融機関への相談(リスケジュール)
  2. 住宅ローンの借り換え(金利引下げの検討)
  3. 保険の見直しや家計の固定費削減

改善策①:金融機関への相談(リスケジュール)

まずは融資を受けている金融機関の窓口へ行き、返済計画の変更(リスケジュール)を相談しましょう。

▼リスケジュールの例

  • 返済期間の延長: 完済年齢を引き上げることで、月々の返済額を減らす。
  • 元金据え置き: 一定期間、利息のみの支払いにしてもらう。

ただし、トータルでは総返済額が増える点には注意が必要です。

改善策②:住宅ローンの借り換え(金利引下げの検討)

現在のローン金利が高い場合、低金利のローンへ借り換えることで負担を軽減できる可能性があります。

ただし、定年後は審査が厳しくなるため、「年収が一定以上ある」「健康状態に問題がない(団体信用生命保険への加入)」などの条件をクリアする必要があります。

改善策③保険の見直しや家計の固定費削減

家計における支出を徹底的に見直します。

▼家計見直しの例

  • 保険の見直し:現役時代と同じ高額な死亡保障など。
  • 通信費・サブスク:格安SIMへの移行など。
  • 車の維持費:本当に車が必要か検討し、手放すなど。

切り詰めるのが難しい出費もあるかと思いますが、小さなところからでも無駄を削減していくことが大切です。

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家を売りたくない場合の解決策2選

「住宅ローンの支払いは正直もう厳しいが、この家には住み続けたい」という段階であれば、以下の対策を検討してください。

  1. リースバック:自宅を売却して家賃を払いながら住み続ける
  2. 親族間売買:子供や親族に買い取ってもらう方法

解決策①:リースバック – 自宅を売却して家賃を払いながら住み続ける

リースバックとは、専門の不動産会社などに自宅を売却し、売却後は「借主」として家賃を払うことで、そのまま住み続ける仕組みです。

メリットデメリット
まとまった現金が手に入る家の所有権を失う
引っ越しの必要がない毎月の家賃支払いが発生する
固定資産税の負担がなくなる売却価格が市場価格より安くなる傾向

定年後に家を手放さずに資金を調達する方法として、近年非常に注目されている手法です。

ただし、リースバックは原則として「アンダーローン(=家の売却代金でローン残債務を完済できる状態)」の場合のみに実現できる手段であるため、「オーバーローン(家の売却代金ではローンを完済できない状態)」の場合は後述する任意売却を検討することとなります。

解決策②:親族間売買 – 子供や親族に買い取ってもらう方法

子どもや付き合いのある親族などに経済的な余裕がある場合、自宅を買い取ってもらい、親がそこに住み続ける手段です。

慣れ親しんだ家が他人に渡る心配がなく、実現できれば非常に有用な手段です。

ただし、親族間売買では金融機関の審査が非常に厳しく(贈与を疑われるため)、親族といえども適正価格での取引が求められます。

そのため、経済的な事情で実現できないことも多い手段といえるでしょう。

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住宅ローン返済が困難な場合の最終的な出口戦略・任意売却

前章までにお伝えした手段も含め、今後の住宅ローンの支払いが完全に破綻することが分かっている場合は、「任意売却」が最善の手段となります。

任意売却とは、債権者(金融機関)の合意を得て通常の不動産売買と同様に市場で家を売却する手段のことをいいます。

任意売却は、競売と比べて以下の通り非常に多くのメリットがあるため、住宅ローンの滞納が避けられないことを察した時点で実行を検討しましょう。

競売任意売却
売却価格市場価格の5割~7割市場価格に近い金額
退去強制的に退去の必要あり買主との交渉次第で引っ越しまでの猶予ができる
プライバシー
競売物件のサイトに掲載される)

(周囲の人に知られにくい)
引っ越し費用全て自己負担交渉可能
(売却代金から捻出できる可能性あり)
残りのローンの支払原則的に一括請求分割の交渉が可能

早期に任意売却が成立すれば、その後の暮らしの立て直しもスムーズになります。

ただし、任意売却は通常の不動産売買とは異なり、専門的なスキルや知見が必要になる場面が多いため、実績のある不動産会社を選ぶことが大切です。

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まとめ

定年後の住宅ローン問題は、決して珍しいことではありません。しかし、「そのうちなんとかなる」という楽観視や放置が、最も事態を深刻化させます。

▼定年後の住宅ローンに対する向き合い方

  1. まずは現状の収支を把握し、あと何年でいくら払う必要があるかを可視化する。
  2. 自力での返済が難しいと感じたら、すぐに銀行や専門家に相談する。
  3. ローン滞納による競売になる前に、「リースバック」や「任意売却」といった有利な出口戦略を検討する。

早めに動くことで、選択肢は確実に広がります。住み慣れた家とこれからの生活を守るために、まずは一歩踏み出してみませんか?

「住宅ローンが苦しいけれど、どうすればいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひ一度、任意売却のプロであるセンチュリー21中央プロパティーにご相談ください。

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この記事の監修者
塩谷 昌則
塩谷 昌則弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。