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共有名義の片方が死亡したら相続はどうなる?手続きと4つの解消方法

共有名義の片方が死亡したら相続はどうなる?手続きと4つの解消方法

共有名義不動産の片方が亡くなったとき、自分の持分が増えるのか、あるいは誰と共有することになるのか不安に感じる方は少なくありません。

実は、原則として亡くなった方の持分は「他の共有者」ではなく「その人の相続人」に引き継がれるため、共有関係はさらに複雑化するリスクがあります。

本記事では、共有名義の片方が死亡した際の法的な相続ルールや手続きの流れ、そして将来のトラブルを防ぐための共有状態解消方法についてわかりやすく解説します。

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目次

結論:共有名義の片方が死亡しても「他の共有者」に権利は移らない

共有名義の不動産において、共有者の片方が死亡した場合でも、その持分が自動的にもう一方の共有者に移ることはありません

亡くなった方の持分は「相続財産」として扱われ、民法で定められたルールに従って承継されます。

原則は「故人の法定相続人」が持分を継承する

死亡した共有者の持分は、その人の配偶者や子供などの「法定相続人」が引き継ぎます。

たとえば、友人同士で共有していた不動産の場合、友人が亡くなると、その友人の妻や子供が新たな共有者として加わることになります。

もともとの共有者にとっては、面識のない親族や疎遠な関係者と不動産を共有する状態になり得るため、話し合いや管理が難航するケースが珍しくありません。

相続人がいない場合のみ「特別縁故者」または「他の共有者」へ権利が移る

例外として、亡くなった方に法定相続人が誰もおらず、遺言書も存在しない場合に限り、持分の行方が変わる可能性があります。

まずは内縁の妻や療養看護に努めた人など「特別縁故者」への分与が検討されます。

それでも引き取り手がいない場合になって初めて、その持分は「他の共有者」に帰属することになります。

つまり、自動的に自分のものになるケースは極めて稀であると認識しておきましょう。

【ケース別】共有パターンごとの相続関係と注意点

不動産を誰と共有していたかによって、相続発生後の権利関係は大きく異なります。

ここでは代表的な以下のケースについて、誰が新たな共有者となるのかを見ていきましょう。

  1. 夫婦共有で夫(または妻)が死亡した場合
  2. 親子共有で親が死亡した場合
  3. 兄弟共有で片方が死亡した場合
  4. 共同出資者など他人と共有していて相手が死亡した場合

ケース①:夫婦共有で夫(または妻)が死亡した場合

夫婦でペアローンなどを組み、共有名義にしているケースです。

夫が亡くなった場合、夫の持分は「妻と子供」あるいは「妻と夫の親・兄弟姉妹」などが相続します。

妻と子供だけの相続であれば話はまとまりやすいですが、子供がいない夫婦の場合、夫の親や兄弟姉妹(義理の家族)が相続人となり、遺産分割協議が必要になる点に注意しなければなりません。

ケース②:親子共有で親が死亡した場合

親と子で共有している不動産で親が亡くなった場合、親の持分は「配偶者(もう一方の親)や他の子供(兄弟姉妹)」が相続します。

自分以外の兄弟姉妹が持分を相続すると、不動産が「兄弟間での共有」となり、将来的に意見の対立や権利関係の複雑化を招く要因となりがちです。

ケース③:兄弟共有で片方が死亡した場合

相続などで兄弟共有となっている状態で片方が亡くなると、その持分は「亡くなった兄弟の配偶者や子供(甥・姪)」に移ります。

関係性が遠くなればなるほど、売却や活用に関する合意形成は困難になります。

甥や姪が相続人となることで、連絡がつかなくなったり、話し合いに応じてもらえなかったりするトラブルも増えています。

ケース④:共同出資者など他人と共有していて相手が死亡した場合

投資物件などで共同出資者と共有している場合、相手が死亡すると、その配偶者や子供などの法定相続人が新たな共有者となります。

ビジネスパートナーとしての信頼関係がない相手と共有状態になるため、運営方針の違いからトラブルに発展するリスクが高まります。

共有名義不動産の相続手続きを進める流れ

共有名義不動産の相続手続きの流れは、一般的に以下の通りです。

  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 相続人の調査・確定を行う
  3. 遺産分割協議を行い合意を得る
  4. 相続登記(名義変更)を完了させる

Step1.遺言書の有無を確認する

まずは、亡くなった共有者が遺言書を残していないか確認します。

公正証書遺言であれば公証役場で検索が可能であり、自筆証書遺言であれば自宅や法務局の保管制度を利用しているか調査します。

遺言書があれば、原則としてその内容に従って持分が承継されるため、遺産分割協議の手間を省ける場合があります。

Step2.相続人の調査・確定を行う

亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を収集し、誰が法定相続人になるのかを確定させます。

共有持分の相続では、予期せぬ相続人が判明することもあるため、漏れがないよう慎重な調査が欠かせません。

調査が複雑になる場合や、誰が相続人か判然としない場合は、専門家の力を借りることも検討しましょう。

センチュリー21中央プロパティーでは、社内弁護士、司法書士・税理士、不動産調査士といった各種士業との連携により、共有持分トラブルや相続に伴う権利関係の調査を確実にサポートいたします。

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Step3.遺産分割協議を行い合意を得る

相続人全員で、誰がどの財産(共有持分)を相続するかを話し合います。

これを「遺産分割協議」と呼び、合意した内容は「遺産分割協議書」にまとめ、全員の実印を押印します。

しかし、共有持分に関する協議は感情的な対立を生みやすく、難航することも少なくありません。

Step4.相続登記(名義変更)を完了させる

遺産分割協議がまとまったら、法務局で共有持分の名義変更(相続登記)を申請します。

2024年4月からは相続登記が義務化されており、放置すると過料が科される可能性があるため、早めの対応を心がけましょう。

登記申請書や遺産分割協議書、戸籍謄本などの必要書類を揃え、登録免許税を納付して手続きを完了させます。

相続を機に検討すべき「共有状態解消」の4つの選択肢

共有名義のままにしておくとトラブルの原因となるため、相続のタイミングで共有状態の解消を検討するのが賢明です。

不動産の共有状態を解消する具体的な方法としては、以下の4つの選択肢が代表的です。

  1. 単独名義に変更する(代償分割・持分買取)
  2. 不動産全体を第三者へ売却する
  3. 相続放棄を行い権利関係から離脱する
  4. 自分の共有持分のみを専門業者へ売却する

選択肢①:単独名義に変更する(代償分割・持分買取)

相続人の一人が他の相続人の持分を買い取り、単独名義にする方法です。

あるいは、他の共有者から持分を買い取って単独所有にするケースもあります。

不動産を自分ひとりのものにできるため、自由な活用や売却が可能になりますが、買い取るためのまとまった資金が必要です。

選択肢②:不動産全体を第三者へ売却する

相続人および他の共有者全員の合意のもと、不動産全体を売却して現金を分け合う「換価分割」という方法です。

不動産を手放すことにはなりますが、公平に資産を分配でき、共有関係をきれいに清算できるメリットがあります。

ただし、全員の同意が必要なため、一人でも反対する人がいると実現できません

選択肢③:相続放棄を行い権利関係から離脱する

「関わりたくない」という場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うことで、はじめから相続人ではなかったことになります。

借金などのマイナス財産も引き継がずに済みますが、預貯金など他のプラスの財産も一切相続できなくなる点に注意してください。

また、相続発生を知ったときから3ヶ月以内に申し立てる必要があります。

選択肢④:自分の共有持分のみを専門業者へ売却する

他の共有者との話し合いがまとまらない場合、自分の持分だけを第三者に売却することも可能です。

ただし、一般的な「買取業者」に依頼すると、相場よりも安く買い叩かれてしまうケースが少なくありません。

少しでも手元に現金を多く残すなら、投資家へ広くアプローチできる「専門の仲介会社」への依頼が賢明です。

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共有名義の相続不動産を放置してはいけない3つの理由

「手続きが面倒だから」と共有名義の状態を放置することは、将来的に大きな不利益を招きます。

共有名義の相続不動産を放置してはいけない理由は、主に以下の3点です。

  1. 相続が繰り返され権利関係が複雑化・細分化するから
  2. 売却や活用において他の共有者の合意形成が困難になるから
  3. 固定資産税や維持管理費の負担トラブルが続くから

理由①:相続が繰り返され権利関係が複雑化・細分化するから

共有者が亡くなり、さらにその相続人が亡くなるといった「数次相続」が発生すると、共有者の数がネズミ算式に増えていきます

持分が細分化され、顔も知らない数十人と共有する事態になれば、事実上、解決は不可能に近い状態に陥ってしまいます。

理由②:売却や活用において他の共有者の合意形成が困難になるから

不動産全体の売却や大規模なリフォームには、共有者全員の同意が必要です。

共有者が増え、関係性が希薄になると、意見をまとめることが著しく困難になります。

「売りたいのに売れない」「修繕したいのにできない」といった塩漬け状態になるリスクが高まります。

理由③:固定資産税や維持管理費の負担トラブルが続くから

共有名義であっても、固定資産税や管理費の支払い義務は発生します。

代表者が立て替えて支払っている場合、他の共有者からの集金が滞るトラブルは後を絶ちません。

特定の共有者だけが負担を強いられる状況は、親族間の争いへと発展する主な要因です。

共有者が死亡した際の住宅ローンはどうなる?【団信がポイント】

住宅ローンが残っている状態で共有者が亡くなった場合、返済義務がどうなるかは「団体信用生命保険(団信)」の加入状況によります。

団信加入なら死亡者のローン残債は弁済される

亡くなった共有者が団信に加入していた場合、保険金によってその人のローン残債は完済されます。

残された共有者や相続人は、亡くなった方の分のローンを支払う必要はありません。

ただし、ペアローンなどでそれぞれが団信に入っている場合、免除されるのはあくまで「亡くなった方の債務分」のみである点に留意しましょう。

団信未加入なら相続人がローン債務も引き継ぐ

団信に未加入、または健康上の理由などで加入していなかった場合、ローン残債は相続人に引き継がれます。

不動産の持分(プラスの財産)とともに借金(マイナスの財産)も相続することになるため、返済が困難な場合は相続放棄や物件の売却(任意売却など)を検討する必要があります。

まとめ:共有名義はトラブルの元。早めの売却・現金化も検討を

共有名義の片方が死亡すると、法定相続人が加わることで権利関係はさらに複雑化します。

放置すれば将来の大きな火種となりかねないため、関係者間で話し合いができるうちに、売却や単独名義化によって共有状態を解消しておくことが最善の解決策です。

もし「他の共有者と連絡が取れない」「交渉が進まない」といったお悩みを抱えているなら、ぜひセンチュリー21中央プロパティーへご相談ください。

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共有名義の片方死亡時の相続に関してよくある質問

共有名義不動産の相続に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。

Q1.共有相手が死亡し、相続人が誰かわからない場合は?

A.戸籍謄本等を取得して相続人を調査する必要があります。

個人で調査するのが難しい場合は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して調査してもらうのが確実です。

なお、調査を尽くしても相続人の所在がわからない場合は、2023年4月の民法改正で新設された「所在不明共有者の持分取得・譲渡制度」を利用できる可能性があります。

これは、裁判所の決定を得ることで、不明な共有者がいても不動産の売却や変更が可能になる制度です。

従来の法律では全員の同意がなければ何もできませんでしたが、法改正により解決の道が広がっています。

こうした複雑な手続きも含め、まずは専門家へご相談ください。

Q2.相続税の支払いが難しい場合はどうすればいい?

A.相続した不動産(持分)を売却して納税資金に充てる方法があります。

相続税は現金一括納付が原則ですが、手元に現金がない場合は、相続した共有持分を専門業者に売却して現金化し、それを納税に充てることが可能です。

延納や物納といった制度もありますが、要件が厳しいため、まずは売却による現金化を検討するのが一般的です。

Q3.認知症の相続人がいて遺産分割協議が進まない場合は?

A.成年後見人を選任する必要があります。

相続人の中に認知症などで判断能力が不十分な方がいる場合、遺産分割協議は無効となります。

家庭裁判所で成年後見人を選任してもらい、その後見人が代理として協議に参加することで手続きを進めることができます。

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この記事の監修者
永田 泰伸
永田 泰伸司法書士

司法書士ALBA総合事務所 代表
東京司法書士会新宿支部所属。平成16年に司法書士試験合格以来、一貫して司法書士業界で研鑽を積む。
相続に関する手続き・対策(遺言書作成、相続手続き、成年後見など)、不動産登記(共有持分、権利変更など)、そして債務整理(自己破産、個人再生、過払い金請求など)において、豊富な実績と深い知見を持つ。

会社設立などの商業(法人)登記や、各種裁判手続きにも精通し、多岐にわたる法的ニーズに対応可能。