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不動産の相続手続き完全ガイド|相続登記の注意点と必要書類・流れを解説

不動産の相続手続き完全ガイド|相続登記の注意点と必要書類・流れを解説

不動産の相続は多くの人にとって大きな節目となる出来事ですが、実際には「相続って何をすればいいのかよくわからない」という方が大半ではないでしょうか。

しかし、2024年4月から施行された相続登記の義務化により、これまでの「いつかやればいい」という考え方は通用しなくなりました。

本記事では、複雑な相続手続きの行程や必要書類・費用、具体的な不動産の分割方法までを網羅的に解説します。

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不動産相続手続きの全体的な流れ

不動産の相続手続きは、法的な期限や税金の申告期限があるため、計画的に進める必要があります。一般的な流れは以下の5つのステップです。

  1. 遺言書の有無の確認
  2. 相続人の確定(戸籍謄本の収集)
  3. 相続財産(不動産)の調査・評価
  4. 遺産分割協議書の作成
  5. 相続登記(名義変更)の申請

なお、これらの手順に必要な書類収集・作成や申請手続きなどは非常に煩雑で、素人では難しい場面も多々あります。

そのため、ここでご紹介する手順は全て司法書士に報酬を支払って一任するのが一般的です。

ステップ1:遺言書の有無の確認

まずは、亡くなった方(被相続人)が遺言書を遺していないか確認します。

▼主な遺言書の種類

  • 自筆証書遺言:自宅の金庫や公証役場、法務局に保管されている場合があります。
  • 公正証書遺言: 最寄りの公証役場で検索システムを利用して有無を確認できます。

自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」手続きが必要となるため、勝手に開封することは許されません。

どの形式であっても、遺言書がある場合は原則としてその内容にしたがって相続が進みます。

ステップ2:相続人の確定(戸籍謄本の収集)

誰が法定相続人(財産を相続するべき配偶者や子・親・兄弟など)になるのかを確定させるため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を収集します。

これは、隠れた相続人がいないかを確認する重要な作業です。

ステップ3:相続財産(不動産)の調査・評価

次に、以下の書類を調査し、相続する不動産の範囲を確定させます。

  • 名寄帳(なよせちょう): 市区町村で発行し、被相続人が所有していた不動産を一覧で確認します。
  • 登記簿謄本(登記事項証明書): 権利関係や借入の有無を確認します。
  • 固定資産評価証明書: 税金の計算や遺産分割の基準となる「評価額」を確認します。

ステップ4:遺産分割協議書の作成

遺言書がない場合、相続人全員で「誰がどの不動産をどのような割合で継ぐか」を話し合う「遺産分割協議」を行います。

遺言書があった場合でも、相続人全員が同意すれば遺言書の内容と異なる相続が可能です。

合意した内容は「遺産分割協議書」として書面に残し、全員の実印を押印します。

ステップ5:相続登記(名義変更)の申請

法務局に対して、不動産の名義を被相続人から相続人に書き換える「相続登記」を申請します。

この手続きが完了すると、登記簿における不動産の所有者が正式に変更されたことになります。

次章で詳しくお伝えしますが、2024年4月より相続登記は義務化されていますので、必ず行うようにしましょう。

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不動産の相続手続きに必要な書類チェックリスト

上でご紹介した不動産相続の手続きに必要な書類を、以下の通り表にしてご紹介します。

遺言書の有無や遺産分割の方法により必要なものが異なる場合があるため、先述の通り書類の収集・作成は司法書士に依頼することをおすすめします。

分類必要書類備考
全員共通被相続人の除籍謄本・改製原戸籍出生から死亡まで全て
被相続人の住民票の除票本籍地が記載されたもの
相続人全員の戸籍謄本現在のもの
相続人全員の住民票登記する方の分は必須
遺言書がある場合遺言書原本公正証書以外は検認済証明書が必要
遺産分割する場合遺産分割協議書相続人全員の実印が押されたもの
相続人全員の印鑑証明書発行後3ヶ月以内が望ましい
不動産固有固定資産評価証明書最新年度のもの
登記識別情報通知書(かつての権利証にあたる書類)必須ではないが確認のため推奨

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【重要】2024年4月からスタートした「相続登記の義務化」とは?

2024年4月より法律が改正され、「相続登記の義務化」が始まりました。

ここでは、相続登記の義務化に関して特に注意しておきたい3つのポイントを解説します。

  1. 正当な理由なく放置すると「10万円以下の過料」の対象に
  2. 過去に発生した相続も遡及して適用される点
  3. 「相続人申告登記」という新しい選択肢

ポイント①正当な理由なく放置すると「10万円以下の過料」の対象になる

相続登記の義務化の内容は、「不動産取得を知った日から3年以内の登記申請」を義務付けるというものです。

正当な理由(相続人が極めて多数で戸籍収集に時間がかかるなどの理由)なく放置すると、10万円の過料が課される可能性があるため注意しましょう。

ポイント②過去に発生した相続も遡及して適用される

義務化が始まったのは2024年4月ですが、「義務化が始まる前に亡くなったから関係ない」ということはありません。

3年間の猶予期間はあるものの、施行日以前に発生した相続についても遡及して義務化が適用されます。

③「相続人申告登記」という新しい選択肢

遺産分割協議がまとまらず、3年以内に登記ができない場合の救済措置として「相続人申告登記」が新設されました。

これは、法務局に対して「登記上の所有者が亡くなり、私が相続人になりました」と申し出ることで、義務を一時的に履行したものとみなされる制度です。
ただし、これはあくまで「仮」の状態であり、最終的な名義変更には別途手続きが必要です。

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不動産相続に必要な4つの費用

この章では、不動産を相続する際に必要となる4つの費用について解説します。

  1. 登録免許税
  2. 司法書士報酬
  3. 相続税
  4. 書類代

費用①登録免許税

登録免許税は、法務局で登記手続きを行う際に納める税金です。

相続における登録免許税の金額は、「固定資産税評価額 × 0.4%」で算出されます。

例えば、評価額5,000万円の不動産を相続した場合、5,000万円 × 0.4% = 20万円が登録免許税となります。

費用②司法書士報酬

不動産相続においては、司法書士への報酬も必要な費用となります。

書類収集や手続きを全て自分で行う場合は不要ですが、先述の通り素人が個人で行うにはハードルが高いため、司法書士に報酬を支払って一任するケースがほとんどです。

報酬額は事務所により異なりますが、相続の場合おおよそ10万円程度が相場となります。

費用③相続税

遺産総額が「基礎控除額=3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」を超える場合に発生します。

実際の金額はさまざまですが、地価の高い都市部では1,000万円を超えることも珍しくありません。

不備不足が出ないよう申告・納税を行うとともに、可能な限り有用な節税を実行するために、不動産の相続時には税理士への税務処理の依頼を強くおすすめします。

費用④書類代

上記の費用に加え、戸籍謄本や住民票などを収集するためにも費用が必要です。

相続人の数などによって多少異なりますが、数千円~1万円程度が目安となるでしょう。

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複数人で不動産を相続する際の「3つの分割方法」と注意点

相続人が複数名いる場合、不動産は主に次の3つの方法で分割されます。

  1. 現物分割
  2. 換価分割
  3. 代償分割

方法①現物分割

土地を物理的に分割(=分筆)し、相続人それぞれの単独所有の土地にする方法です。

分筆された土地は相続人それぞれの単独所有となるため、後腐れがなく極めて明快な手段といえます。

ただし、土地とは異なり家などの建物は物理的に分けることが極めて困難であるため、現物分割を選べるのは実質的に相続した不動産が土地のみのケースに限定されます。

方法②換価分割

相続した不動産を全て売却し、その代金を相続人同士で分け合う分割方法です。

不動産は手元に残りませんが、1円単位で現金を公平に分けることが可能で、金銭的なメリットも最も大きい方法です。
相続後に不動産の維持管理の手間や税金等のコストがかからなくなる点もメリットといえます。

ただし、相続人のうち誰かが「住み続けたい」と主張した場合に強行して売却することはできないため、相続人内で家仕舞いの意向が固まっている際に有効な手段となるでしょう。

方法③代償分割

特定の相続人1人が不動産を引き継ぐ代わりに、他の相続人に対して自分の相当額の「代償金」を支払う方法です。

不動産を引き継ぎたい人と不動産よりも現金が欲しい人で利害が一致すれば、非常に円満な形で進めることができるでしょう。

ただし、不動産を引き継ぐ人に代償金を支払う現金がなかったり、2人以上が「自分が不動産を引き継ぎたい」と主張した場合には話がこじれることもあるため、その点は注意が必要です。

【注意】やってはいけない!不動産の「共有名義」での相続手続き

相続の現場で最も多く、かつ深刻なトラブルを招くのが「安易な共有名義」です。

「今は仲が良いから」「話し合いが面倒だから」という理由で、誰かの単独名義にする(代償分割)、あるいは売却する(換価分割)といった方法を取らず、「法定相続分通りに共有登記」をしてしまうケースが典型例といえます。

共有名義の不動産は、売却や大規模な増改築を行うために「共有者全員の同意」が必要です。
そのため、将来的に不動産の活用や売却を巡って共有者同士の意見が対立することが多く、共有者同士の関係性が修復不可能なほどに悪化してしまう例は枚挙に暇がありません。

共有状態を作らないためにも、相続が発生した際は先述の代償分割や換価分割で話をまとめることを強く推奨します。

ただ、万一やむを得ない事情で共有名義での相続となった際は、共有名義不動産のトラブル解決・売却専門のセンチュリー21中央プロパティーにお声がけください。

相続した持分(=不動産に対して共有者が所有している権利の割合)のみのご売却をサポートし、厄介な共有状態から抜け出すためのお手伝いをいたします。

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【まとめ】

不動産相続は、2024年4月からの義務化により「早めの着手」が不可欠な時代となりました。放置は罰則のリスクだけでなく、親族間のトラブルや資産価値の下落を招きます。

まずは現状を整理し、誰が何を継ぐのか、将来その不動産をどう活用したいのかを家族で話し合ってみましょう。

中央プロパティーでは、一般的な不動産会社では取り扱いが難しい複雑な相続案件や、やむを得ず共有名義で相続した不動産の売却も丸投げでお任せいただけます。

どんな些細な悩みでも構いませんので、まずは当社の無料相談をご活用ください。専門のコンサルタントが、大切な資産を活かすための解決策をご提案いたします。

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この記事の監修者
塩谷 昌則
塩谷 昌則弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。