「親から実家を相続することになったが、税金がいくらかかるのか不安だ」
「手持ちの現金が少なく、期限までに納税できるか分からない」
不動産の相続は、人生で何度も経験するものではないため、このような悩みを抱える方は少なくありません。
土地や建物の評価額は仕組みが複雑で、計算方法を誤ると想定外の税負担が発生することもあります。
しかし、適切な控除や特例を活用し、早めに対策を講じることで、税額を大幅に抑えることも可能です。
本記事では、不動産相続にかかる税金の基礎知識から、自分でできる計算ステップ、そして負担を軽減するための売却テクニックまでを網羅的に解説します。
目次
不動産の相続時にかかる税金の種類と支払い期限
不動産を相続した際に発生する税金は、主に以下の3つです。
- 相続税(基礎控除を超えた場合に発生)
- 登録免許税(相続登記の際にかかる)
- その他の税金(固定資産税・譲渡所得税など)
それぞれの税金は支払い期限や発生要件が異なるため、まずは全体像を把握しておきましょう。
税金①:相続税(基礎控除を超えた場合に発生)
相続税は、被相続人(亡くなった方)から財産を受け継いだ際にかかる税金です。
ただし、すべての相続に対して課税されるわけではありません。
遺産総額が基礎控除額を超えた場合にのみ、その超過分に対して税金が発生します。
申告と納税の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内です。
この期限を過ぎると延滞税や加算税が課される可能性があるため、早めの準備を心がけましょう。
税金②:登録免許税(相続登記の際にかかる)
不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」を行う際に、国に納める税金です。
令和6年(2024年)4月1日から相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料が科されることになりました。
税額は固定資産税評価額の0.4%で計算され、法務局で手続きをする際に収入印紙などで納付します。
なお、センチュリー21中央プロパティーでは、売却を前提としたご相談の場合、司法書士や税理士等の専門家と連携し、こうした煩雑な相続登記や遺産分割協議などの手続きを一気通貫で代行いたします。
手間のかかる手続きにお困りの方は、ぜひご相談ください。
税金③:その他の税金(固定資産税・譲渡所得税など)
相続手続きが完了した後も、その不動産を所有している限り、毎年「固定資産税」や「都市計画税」がかかります。
納税通知書は、毎年1月1日時点の所有者(登記上の名義人)に届きます。
また、相続した不動産を売却して利益(譲渡益)が出た場合には、「譲渡所得税」と「住民税」が課税されます。
これらは売却した翌年の確定申告で納税する必要があるため、売却を検討している方は資金計画に組み込んでおきましょう。
不動産の相続税を自分で計算する4つのステップ
相続税がいくらになるかを知るためには、以下の手順で計算を進める必要があります。
- 法定相続人と遺言書の有無を確定する
- 不動産の「相続税評価額」を調べる(路線価・倍率方式)
- 基礎控除額を引いて課税遺産総額を出す
- 税率をかけて相続税額を算出する
Step1.法定相続人と遺言書の有無を確定する
まずは、誰が相続人になるのか(法定相続人)と、遺言書があるかどうかを確認します。
法定相続人の数によって基礎控除額が変わるため、戸籍謄本を取り寄せて正確な人数を確定させましょう。
民法で定められた相続順位は以下の通りです。
- 配偶者:常に相続人
- 第1順位:子(または代襲相続人である孫など)
- 第2順位:直系尊属(父母や祖父母など、子がいない場合)
- 第3順位:兄弟姉妹(子も直系尊属もいない場合)
Step2.不動産の「相続税評価額」を調べる(路線価・倍率方式)
現金や預貯金はその金額がそのまま評価額になりますが、不動産は相続税評価額を用いて計算します。
評価方法は主に以下の2種類です。
- 路線価方式:市街地にある宅地などで用いられます。
道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格(路線価)に面積をかけて算出します。 - 倍率方式:路線価が定められていない地域で用いられます。
固定資産税評価額に、地域ごとに定められた一定の倍率をかけて算出します。
これらは国税庁のホームページで公開されている「路線価図・評価倍率表」で確認できます。
建物については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額として扱われるのが一般的です。
Step3.基礎控除額を引いて課税遺産総額を出す
遺産総額(不動産、預金、有価証券などの合計)から、借金や葬儀費用などのマイナス財産を差し引き、そこからさらに基礎控除額を引きます。
| 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数) |
例えば、相続人が妻と子供2人の計3人の場合、基礎控除額は「3,000万円+(600万円×3)=4,800万円」となります。
遺産総額がこの金額以下であれば、相続税はかからず申告も不要です。
Step4.税率をかけて相続税額を算出する
基礎控除額を引いて残った金額(課税遺産総額)を、一度法定相続分通りに分けたと仮定し、それぞれの金額に対応する税率をかけます。
国税庁の「相続税の速算表」を参照し、税率と控除額を用いて計算します。
最終的に算出された各人の税額を合計し、実際に財産を取得した割合に応じて按分することで、各相続人が納めるべき税額が決定します。
【土地の評価額で税金は変わる】相続税評価額が下がる土地の5つの特徴
以下のような特徴を有する土地の場合、評価額を減額できる補正ルールがあります。
- 形がいびつな土地・高低差がある土地(不整形地など)
- 道路に面していない・間口が狭い土地
- 他人に貸している土地(借地権・底地)
- アパートなどが建っている土地(貸家建付地)
- 広すぎる土地(地積規模の大きな宅地)
特徴①:形がいびつな土地・高低差がある土地(不整形地など)
正方形や長方形できれいに整った土地に比べ、三角形やL字型などの不整形地は使い勝手が悪いため、評価額が下がります。
また、道路との高低差がある土地や、傾斜地も減額補正の対象となる場合があります。
特徴②:道路に面していない・間口が狭い土地
建築基準法上の道路に接していない「無道路地」や、接している間口が狭い土地は、建物の建築や再建築が難しいため評価が低くなります。
奥行きが極端に長い土地も同様に減額の対象です。
特徴③:他人に貸している土地(借地権・底地)
自分の土地であっても、第三者に貸して建物を建てさせている場合(底地)は、自由に使えないため評価額が下がります。
この場合、土地全体の評価額から借地権割合(地域により30%~90%)を差し引いた額が評価額となります。
逆に、他人から土地を借りている権利(借地権)も相続財産となり、課税対象に含まれる点には注意が必要です。
特徴④:アパートなどが建っている土地(貸家建付地)
所有している土地にアパートやマンションを建てて賃貸経営をしている場合、「貸家建付地」として評価額が減額されます。
入居者がいることで土地の利用が制限されるため、借地権割合や借家権割合、賃貸割合を考慮して評価が下げられます。
特徴⑤:広すぎる土地(地積規模の大きな宅地)
三大都市圏で500平方メートル以上、それ以外の地域で1,000平方メートル以上の広大な宅地は、「地積規模の大きな宅地」として評価額が大幅に減額される可能性があります。
開発を行う際に道路や公園などの用地が必要となり、有効活用できる面積が減るためです。
相続税の負担を減らすために活用すべき5つの控除・特例
相続税には、遺された家族の生活を守るために、以下のような控除や特例が用意されています。
- 小規模宅地等の特例(土地の評価額を最大80%減額)
- 配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)
- 空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除
- 未成年者控除・障害者控除
- 相次相続控除(10年以内に続けて相続があった場合)
要件を満たせば税額をゼロにできるケースもあるため、必ず確認しましょう。
特例①:小規模宅地等の特例(土地の評価額を最大80%減額)
被相続人が自宅として住んでいた土地や、事業に使っていた土地を相続する場合、一定の面積まで評価額を最大80%減額できる特例です。
例えば、330平方メートルまでの居住用宅地であれば、評価額を80%下げることができます。
この特例を適用することで、基礎控除の範囲内に収まり、相続税が発生しなくなるケースも多々あります。
特例②:配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)
配偶者が相続した財産については、「法定相続分」または1億6,000万円のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。
配偶者の今後の生活保障を目的とした制度です。
ただし、この特例を受けるためには相続税の申告書の提出が必要です。
特例③:空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除
相続した実家が空き家となった場合、一定の要件を満たして売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
これは売却益に対する所得税・住民税を節税するための制度です。
昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることや、耐震リフォームまたは解体して更地にして売却することなどが条件となります。
特例④:未成年者控除・障害者控除
相続人が未成年の場合、満18歳になるまでの年数に応じた額が相続税から控除されます。
また、相続人が障害者の場合も、障害の程度や年齢に応じた一定額が控除されます。
これらは相続人個人の事情に配慮した制度です。
特例⑤:相次相続控除(10年以内に続けて相続があった場合)
今回の相続からさかのぼって10年以内に、被相続人が別の相続で相続税を納めていた場合、その一部を今回の相続税額から控除できます。
短期間に相次いで相続が発生した場合の過度な税負担を調整するためのものです。
【ポイント解説】相続税が払えないリスクを回避する「不動産売却」という選択肢
「預貯金が少なく、現金で納税するのが難しい」という場合、相続した不動産を売却して現金化することが有効な解決策となります。
相続不動産の売却時に押さえておくべきポイントは、主に以下の通りです。
- 現金がない場合は「換価分割」で売却することで納税資金を確保できる
- 売却益が出た場合「取得費加算の特例」で譲渡所得税を節税可能
- 共有名義での相続は売却トラブルの元になるため避ける
- 権利関係が複雑な土地(借地権・底地)は専門業者への相談が必須
ポイント①:現金がない場合は「換価分割」で売却することで納税資金を確保できる
不動産を売却して得た現金を相続人で分ける方法を「換価分割」と呼びます。
納税資金を確保できるだけでなく、1円単位で公平に遺産分割できるため、兄弟間での揉め事を防ぐ効果もあります。
相続税の納付期限(10カ月以内)に間に合わせるためには、早めに査定や売却活動を開始することがポイントとなります。
ポイント②:売却益が出た場合「取得費加算の特例」で譲渡所得税を節税可能
相続した不動産を、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合、「取得費加算の特例」を利用できます。
これは、支払った相続税の一部を不動産の「取得費」に加算できる制度です。
取得費が増えれば、売却益(譲渡所得)が圧縮されるため、結果として譲渡所得税を安く抑えることができます。
ポイント③:共有名義での相続は売却トラブルの元になるため避ける
「とりあえず公平に」という理由で、不動産を兄弟などの共有名義にするのは避けるべきです。
共有名義にしてしまうと、将来売却する際に全員の同意が必要となり、一人でも反対すれば売却できなくなります。
また、共有者の誰かが亡くなると権利関係がさらに複雑化し、事実上の「塩漬け物件」となるリスクが高まります。
可能な限り、単独名義での相続か、換価分割による現金化をおすすめします。
もし既に共有名義でトラブルになっている場合は、当社にご相談ください。
センチュリー21中央プロパティーでは、他の共有者の同意を得ることなく、自身の持分のみを最短7日〜2週間のスピードで現金化し、共有関係からの離脱をサポートいたします。
ポイント④:権利関係が複雑な土地(借地権・底地)は専門業者への相談が必須
借地権や底地、共有持分のみの売却などは、一般的な不動産会社では取り扱いが難しく、断られるケースも少なくありません。
これらの物件は権利関係の調整や法的な手続きが複雑であるため、専門のノウハウを持つ不動産会社に相談することが解決への近道です。
当社センチュリー21中央プロパティーは、こうした共有持分や借地権・底地などの相続不動産に特化し、累計4万件以上の豊富なトラブル解決・売却実績を持っています。
弁護士や税理士と連携し、トラブルを未然に防ぎながらスムーズに売却を進めることが可能です。
まとめ:不動産の相続税対策と売却はセットで専門家に相談を
不動産の相続には、期限のある税務申告や複雑な評価計算、遺産分割協議など、多くの高いハードルが存在します。
特に納税資金の不足や、共有持分・借地権・底地といった特殊な権利関係が絡む場合、個人での解決は極めて困難です。
トラブルを回避し、資産価値を最大化して手元に現金を残すためには、早期に専門家へ相談することをおすすめします。
当社センチュリー21中央プロパティーは、相続不動産に特化した不動産仲介会社です。
共有持分や借地権などの特殊案件に強く、司法書士や税理士との連携によるワンストップサポート体制を整えています。
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「まずは納税額を知りたい」「売却して納税資金を確保したい」とお考えの方は、現状を把握するためにも、ぜひ一度ご相談ください。
不動産の相続と税金に関してよくある質問
不動産の相続と税金に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。
Q1.不動産の相続税評価額は固定資産税評価額と同じですか?
A.いいえ、異なります。
建物は固定資産税評価額と同じですが、土地については、市街地では「路線価方式」、それ以外では「倍率方式」を用いて計算するため、固定資産税評価額とは異なる金額になります。
一般的に、相続税評価額は実勢価格(時価)の8割程度、固定資産税評価額は7割程度が目安とされています。
Q2.相続税の申告が必要ない場合でも手続きは必要ですか?
A.はい、相続登記(名義変更)などの手続きが必要です。
遺産総額が基礎控除以下で相続税の申告が不要な場合でも、不動産の名義変更(相続登記)は行う必要があります。
令和6年4月からは相続登記が義務化されており、放置すると過料の対象となるほか、将来的な売却もできなくなるため注意しましょう。
Q3.相続税を払うために売却する場合、いつまでに売ればいいですか?
A.納付期限である「相続開始から10カ月以内」の現金化を目指しましょう。
不動産の売却には通常3ヶ月〜半年程度の時間がかかります。
納税期限ギリギリになると売り急ぐことになり、足元を見られて安く買い叩かれるリスクがあります。
できるだけ早い段階で査定を依頼し、余裕を持って売却活動を始めることが高値売却のコツです。
Q4.センチュリー21中央プロパティーでは、借地権や底地の相続税についても相談できますか?
A.はい、ご相談いただけます。
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提携している税理士や弁護士と共に、相続税の試算から権利関係の調整、売却による納税資金の確保まで、トータルでサポートいたします。

