共有持分の売却は、親族間の感情対立や法的な複雑さが絡むため、多くの方が「売れないのではないか」「トラブルになるのではないか」と不安を抱えています。
本記事では、共有持分の特化した不動産仲介業者の視点から、共有持分を売却できる法的根拠やメリット、具体的な売却手法、そしてトラブルを未然に防ぐための注意点を網羅的に解説します。。
目次
共有持分の概要と自分の持分を売却できる根拠
「共有持分」とは、一つの不動産(土地や建物)を複数の人で所有している際、各人がその不動産に対して持つ所有権の割合のことです。
例えば、父の遺産である実家を兄弟3人で均等に相続した場合、それぞれの持分は「3分の1」となります。
持分に関しては誤解されることも多いのですが、「自分の持分だけであれば他の共有者の同意がなくても自由に売却できる」というのが法律上の原則です。
自分の持分だけを売却できる法的根拠
所有権の内容について、民法第206条では以下のように定められています。
| (所有権の内容) 第206条:所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。 |
共有持分も一つの「所有権」であるため、自分の持分に関しては誰の許可を得ることなく売却や贈与・放棄、あるいは担保に入れるといった「処分」が可能です。
「共有物全体の売却」と「持分のみの売却」の違い
「共有名義の不動産全体」を売る場合と、「自分の持分だけ」を売る場合では、必要となる要件が大きく異なります。以下の比較表をご覧ください。
| 比較項目 | 共有物全体の売却 | 自分の共有持分のみの売却 |
| 他共有者の同意 | 全員の同意が必要(民法251条) | 不要(単独で決定可能) |
| 売却価格の目安 | 市場価格(相場通り) | 市場価格より低くなる |
| 主な買主 | 一般の個人、実需向け業者 | 他の共有者、共有持分専門の買取業者、あるいは仲介業者を通じた投資法人・投資家 |
| 売却後の関係 | 不動産を手放し関係が解消される | 他の共有者と買主が共有関係になる(売主は共有状態から抜け出す) |
| 手続きの難易度 | 高:合意形成が非常に困難な場合が多い | 低:自分の意思だけで進められるためスムーズ |
このように、全体を売却するには共有者全員の合意が必要となり、一人でも反対者がいれば頓挫します。
一方で、持分のみの売却は「自分の権利を切り離す」行為であるため、法的に極めてシンプルです。
共有持分を売却する3つの主なメリット
共有持分という「不完全な所有権」を持ち続けることは、精神的・経済的なリスクを伴います。
その点を踏まえ、売却によって得られるメリットは主に以下の3点です。
- 他の共有者の同意が不要
- 迅速な現金化が可能
- 管理責任・納税義務からの解放
1. 他の共有者の同意が不要:ストレスフルな交渉をスキップ
共有不動産のトラブルで最も多いのが、「売りたい自分」と「住み続けたい・放置したい他共有者」との意見対立です。
親族相手に何度も話し合い、罵声を浴びせられたり無視されたりするのは、多大な精神的苦痛を伴います。
何年も話がまとまらないまま不動産を活用することも売ることもできず、最終的には解決を見ないまま共有持分という厄介な遺産を子や孫に遺すことにもなりかねません。
これに対し、自分の持分だけの売却であれば他の共有者に一切相談することなく手続きを進められるため、無用な争いを回避できます。
2. 迅速な現金化が可能:専門業者への売却なら最短数日
一般の不動産市場では、権利関係が複雑な共有持分を買い取る個人はまずいません。
しかし、当社のような共有持分専門の不動産会社に依頼すれば、法的リスクを精査した上でスピーディーな売却が可能です。
不動産全体の売買には共有者の合意形成をはじめとして多大な手間と時間がかかりますが、持分のみの売却であれば最短数週間で決済まで至るケースもあります。
そのため、現金化の迅速さを重視したい方にとってこの点も大きなメリットといえます。
3. 管理責任・納税義務からの解放:将来的な相続トラブルを回避
単独名義でも共有名義でも、不動産を所有する限りは維持管理費や毎年の固定資産税・定期的な修繕やメンテナンスの手間は必須です。
そして共有名義の場合、それらの負担は原則として共有者全員が持分割合に応じてそれぞれ負うことになります。
「自分が住んでもいない家にお金や手間をかけたくない」という不満を募らせる共有者も多く、そうした負担を巡って共有者同士の厄介なトラブルに発展するケースも数多く存在します。
こうしたコストや手間から解放されるために、持分の売却は非常に有効な手段です。
持分の売却が成立すれば不動産の共有状態から抜け出せるため、その後は維持管理に関わる負担を負う義務は一切なくなります。
共有持分を売却する2つの方法
実際に持分を売却する際は、次の2つの方法が一般的です。
- 他の共有者への売却
- 第三者(買取業者・専門仲介業者)を利用した売却
売却方法①:他の共有者への売却
1つ目は、他の共有者に自分の持分を直接売却する方法です。
相手が親族であればお互いの事情を汲み取りやすく、双方が納得すれば市場価格に近い高値で合意できる可能性もあります。
全員の同意のもとで手続きが進むため、売却後の人間関係を損なう心配も少なく、円満な解決が期待できるでしょう。
ただし、この方法は相手にまとまった購入資金や、持分を買い増す意欲がなければ成立しません。
また、親族間であるがゆえに感情的な対立が起きやすく、一度こじれると価格交渉が難航しやすいといった側面があることにも注意が必要です。
売却方法②:第三者(買取業者・専門仲介業者)を利用した売却
他の共有者が買い取れない場合や、関わりを避けたい場合は、専門業者へ売却します。
主な手法は「直接買取」と「専門仲介」の2つです。
| 利用する業者 | A.買取業者 | B.専門仲介業者 |
| ビジネスモデル | 不動産業者自身が共有持分を売主から直接買い取る。 | 共有持分の売主と買取を希望する買主(投資家など)を業者が仲介する。 |
| メリット | ・売却までのスピードが早い。・複雑な権利関係を抱える案件にも対応可能。 | ・買取業者より高額かつ好条件で売却できるケースが多い。・他の共有者とトラブルになりにくい。 |
| デメリット | ・売却金額が市場価格よりも安い傾向にある。・売却後に他の共有者とのトラブルになる可能性がある。 | ・契約完了までに2~4週間ほどの期間が必要になることが多い。・買取業者に比べて専門業者自体の数が少ない。 |
こうした特徴やメリット・デメリットを踏まえて、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
- 買取業者に直接売却する
- 専門仲介業者を通じて第三者に売却する
A:買取業者に直接売却する(スピード重視)
業者が直接購入するため、条件が合えば即座に現金化できます。
他の共有者と一切連絡を取らずに進められるため、精神的な負担が少ないのがメリットです。
ただし、買取業者は転売利益を見込むビジネスモデルであるため、価格が相場より安くなる点が最大のデメリットです。「価格よりもスピード」を最優先する場合に適しています。
B:専門仲介業者を通じて第三者に売却する(価格・条件重視)
仲介業者を利用した場合、持分は最終的に仲介業者を介して購入を希望する投資法人や投資家に売却されます。
仲介業者は高値で売るほど手数料収入が増えるため、売主と利害が一致し、買取業者を利用する場合よりも高額売却が期待できます。
また、購入する投資家は「将来的な不動産活用」を目的とするため、残された共有者とも協力的な関係を築きやすく、売却後のトラブルが少ないのが特徴です。
当社センチュリー21中央プロパティーでは、売主様からの仲介手数料は一切いただかず、当社独自のオークション形式で最高値をつけた買主様に持分を購入いただいております。
持分の売却後にお手元の現金を最大化したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。
共有持分の売却時に注意すべきポイント3選
共有持分の売却は非常に有用な手段ですが、進め方を誤ると予期せぬトラブルを招きます。
持分の売却における注意点は次の3つです。
- 悪質な業者の存在:不当な安値や強引な勧誘
- 親族間トラブル:売却後に他の共有者から苦情が来るリスク
- 悪質な業者の存在:低すぎる査定と強引な手法
注意点①悪質な業者の存在:不当な安値や強引な勧誘
共有持分は非常に専門性が高い分野であるため、知識のない売主をターゲットにした悪質な業者が一部存在します。
「ここしか買い取れない」と嘘をついて不当に低い査定額を提示したり、強引な地上げのような手法を取るケースです。
対策
業者選びの際、以下の4点を必ずチェックしましょう。
- 査定額の根拠を、周辺相場や法的リスクに基づいて明確に説明できるか。
- 「他の共有者を強制的に追い出す」といった、公序良俗に反する強引な手法を提案していないか。
- 弁護士や司法書士などの専門家と強固なネットワークを持ち、コンプライアンスを遵守しているか。
- 公式サイトやSNSなどでユーザーの評判が良いか。
こうしたポイントを押さえて業者を選ぶことで、売却トラブルの心配は大きく軽減できます。
注意点②親族間トラブル:売却後に他の共有者から苦情が来るリスク
法的に同意不要とはいえ、売却後に新しい共有者(買取業者や投資法人)から連絡が行くと、親族から「なぜ勝手に売ったんだ」と責められる可能性があります。
対策
もし可能であれば、他の共有者への気遣いとして持分売却する旨は事前に話を通しておき、売却後に双方の認識にズレが出ないようにすることをおすすめします。
ただし、すでに他の共有者との関係性が悪化している場合は、割り切って業者に対応を任せることが唯一の方法です。
プロの業者は、他の共有者に対して紳士的かつ法的に正しい手順で協議を開始するため、中途半端に関わらず一任するのが最も効果的といえます。
なお、このケースでは仲介業者への依頼がおすすめです。
仲介業者では、「残った共有者とともに不動産の利益化を考えられる投資家や投資法人」に持分を売却するため、買取業者に比べトラブルになりづらいという特徴があります。
注意点③占有者の問題:他の共有者が住んでいる場合
共有者の一人がその家に住んでいる状態で持分を売ると、売却前後でトラブルに発展する可能性があります。
対策
占有者がいる物件の売却では、買主側が「持分に応じた賃料相当額(不当利得)」を占有者に請求する権利を引き継ぐことになります。
そのため、将来的な収益性を見込んだ専門の投資法人や投資家であれば、居住者がいても適正な価格で買い取ってくれます。
ただし、個人間で売却すると「追い出し」を巡る感情的な紛争に発展しやすいため、ここでも専門の仲介業者を通すのが賢明です。プロが介在することで、占有者の住環境にも配慮しつつ、法的な権利関係を整理する「出口戦略」を立てることが可能になります。
持分売却におけるセンチュリー21中央プロパティーの強み
共有持分の売却において、最も重要なのは「誰に相談するか」です。
当社センチュリー21中央プロパティーは、長年この分野に特化し、数多くの複雑案件を解決してきました。
弁護士との強固な連携
共有持分の問題は、不動産取引の知識だけなく、高度な法的知識が不可欠です。
当社では、社内に専任の弁護士が在籍しており、法的にクリーンな状態で取引を完了させます。
豊富な解決実績
「共有者が行方不明」「持分を登記していない」「住宅ローンが残っている」など、一般的な不動産会社では対応が難しい案件でも、長年この分野を専門としてきた当社ならではの解決のノウハウがあります。
「この状態で売れるか不安…」という方も、ぜひ一度お声がけください。
まとめ
共有持分の悩みは、放置するほど解決が難しくなります。時間が経てば次の相続が発生し、共有者の人数が増え、合意形成は不可能に近い状態になっていくからです。
「自分の権利を整理したい」という思いは、決して身勝手なものではありません。むしろ、不動産の価値を健全化し、将来のトラブルを未然に防ぐための第一歩です。
まずは「自分の持分がいくらになるか」を知ることから始めましょう。
センチュリー21中央プロパティーでは、完全無料の査定と専門家への相談を随時実施しています。
少しでも持分売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 他の共有者に売却を知られるタイミングはいつ?
A. 原則として、売却後の名義変更(登記)が行われた後、または新しい所有者が挨拶や協議の連絡を入れたタイミングです。
査定や契約の段階で当社から他の共有者へ連絡することはありません。売却完了後に、新しい共有者から「今後は持分を私が引き継ぎました」という通知が行くのが一般的です。
Q. 売却後に確定申告は必要?
A. 売却益(譲渡所得)が出た場合は必要です。
売却価格から、その不動産を取得した際にかかった費用や経費を差し引き、プラスが出る場合は所得税・住民税が課税されます。
逆にマイナス(譲渡損失)が出た場合は、一定の条件で他の所得と相殺できることもあります。
Q. 住宅ローンが残っていても売却できる?
A. 条件によりますが、可能です。
ご自身の持分にのみ抵当権が設定されているのか、不動産全体に設定されているのかによって異なります。
売却代金でローンを完済できる場合はスムーズですが、残債務が出る場合は金融機関との交渉が必要になります。
専門的な判断が必要なため、まずは現状のローン残高がわかる資料をご用意の上、お問い合わせください。

