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共有持分の放棄とは?手続きの流れ・費用・税金の注意点を徹底解説!

共有持分の放棄とは?手続きの流れ・費用・税金の注意点を徹底解説!

共有持分の管理や、他の共有者との人間関係に頭を悩ませていませんか?
「もうこの不動産に関わりたくない」と考えたとき、真っ先に思い浮かぶのが「共有持分の放棄」かもしれません。

共有持分の放棄は、他の共有者の同意を得ることなく、自分の意思だけで持分を手放すことができる強力な法的手段です。しかし、「タダで手放すのだから、デメリットはないだろう」と安易に進めてしまうと、思わぬ高額な税金トラブルに巻き込まれる危険があります。

本記事では、共有持分放棄の手続き、費用、そして絶対に知っておくべき税金の注意点を徹底解説します。

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共有持分の「放棄」とは?基本の仕組み

共有持分の「放棄」とはどういったものか、基本の仕組みについて次の2つの視点から解説します。

  1. 持分の放棄は自分の意志だけで可能
  2. 放棄した持分は他の共有者に帰属する
  3. 「持分売却」との違いは?

持分放棄の基本①持分の放棄は自分の意志だけで可能

そもそも共有持分とは、「1つの不動産を複数人で共有する際、その不動産に対して共有者それぞれが持つ所有権の割合」のことをいいます。

不動産全体の売却や活用には共有者の同意が必要になりますが、自分の持分だけであれば誰の同意も得ずに放棄することが可能です。

持分を放棄することで不動産の共有状態から抜け出すことになるため、放棄後は固定資産税の支払い義務や建物の修繕・管理費などの負担が一切なくなります。

持分放棄の基本②放棄した持分は他の共有者に帰属する

民法第255条では、共有持分の放棄について以下のように定められています。

民法第255条共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

つまり、自分の持分を「いらない」と放棄した瞬間から持分は消滅し、他の共有者たちに帰属(=持分割合に応じて自動的に分配される)ことになります。

例えば、A・B・Cの3人が1/3ずつ持分を持っているケースを考えてみましょう。

Aが持分を放棄した場合、Aの1/3はBとCに半分ずつ(1/6ずつ)引き継がれ、最終的にBとCの持分はそれぞれ1/2ずつになります。

つまり、Aが持分を放棄して共有状態を抜けたことによって他の共有者の持分割合が変化することはなく、「自分が持分を放棄することで共有者間のパワーバランスを崩す心配はしなくていい」ということです。

この点を踏まえ、持分の放棄は他の共有者の反感を買うことなく共有状態から抜け出しやすい手段であるといえるでしょう。

持分放棄の基本③「持分売却」との違いは?

自分の持分を手放す方法としては、放棄の他に「売却」も有効です。

今回ご紹介している放棄との最大の違いは、「対価の有無」と「スピード感」です。

比較項目共有持分の放棄共有持分の売却
対価(お金)0円(受け取れない)持分の価値に応じた売却代金を得られる
共有者の同意不要(意思表示のみで成立)不要(ただし買主が他の共有者の場合は事前の合意形成が必要)
主な目的義務や関係からの早期脱却資産の現金化
税金他の共有者に贈与税の可能性自分に譲渡所得税の可能性

上記に照らし、「可能な限り早く共有状態を抜け出したい」場合には放棄を、「多少の時間を掛けてでも持分を現金化したい」のであれば売却を選ぶようにしましょう。

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【重要】共有持分の放棄で知っておくべき注意点

前章の通り、共有状態を抜けたい方にとってメリットの大きい「放棄」ですが、実行前に以下3つのリスクを考慮する必要があります。

  1. 登記費用がかかる
  2. 一度行うと撤回できない
  3. 贈与税の発生(最大の落とし穴)

注意点①登記費用がかかる

持分を放棄しても、不動産登記簿上の名義を変更しなければ、第三者に対して「自分はもう所有者ではない」と主張できません。

つまり、登記簿上で依然自分の名前のままになっている場合、金銭的なコストや不動産の維持管理の義務は残り続けてしまうのです。

この登記手続きには、登録免許税や司法書士への報酬が必要になります。
放棄する側であっても、手続きを円滑に進めるためにこれらの費用を負担するケースが少なくありません。

注意点②一度行うと撤回できない

持分放棄の意思表示が他の共有者に到達すると、原則として撤回はできません。

共有持分の放棄は他の共有者の承諾を必要とせず、放棄する側の一方的な意思表示(単独行為)で効力を生じるため、相手方に届いた時点で法的に確定するのです。

「やっぱり放棄じゃなく売ればよかった」「価値が上がったから返してほしい」と思っても後の祭りになるため、放棄の意思表示は慎重に行うことをおすすめします。

注意点③贈与税の発生(最大の落とし穴)

持分の放棄に関して、ここが最も重要な注意点です。

持分を放棄し、他の共有者の持分が増えた場合、税務署は「あなたが他の共有者へ持分をプレゼントした(贈与した)」とみなします(これを「みなし贈与」と呼びます)。

持分の金額によっては、もらった側(他の共有者)に高額な贈与税が課される可能性が高いのです。良かれと思って持分を放棄した結果、親族に多額の納税通知が届き、さらなるトラブルに発展するケースが後を絶ちません。

そのため、持分の放棄を行う際は事前に不動産会社などに相談して贈与税のリスクと金額を精査し、他の共有者に話を通しておくことが大切です。

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共有持分放棄の手続き 5ステップ

実際に放棄を進める際の流れは以下の通りです。

  1. 他の共有者への通知
    「持分を放棄する」という意思表示を行う。後々のトラブルを防ぐため、内容証明郵便など「いつ、誰が、誰に送ったか」が証明できる形で通知するのが一般的。
  2. 登記申請の準備
    不動産登記を書き換える(登記の原因は「持分放棄」)。登記申請は「放棄する人」と「持分を得る人(他の共有者)」が共同で行わなければならない
  3. 所有権移転登記の実行
    法務局へ登記申請を行う。必要な書類(登記済権利証、印鑑証明書など)を揃える。
  4. 固定資産税の清算
    放棄した日をもって、その年の固定資産税を日割り計算する。放棄日以降の分を他の共有者に負担してもらうよう調整するが、実務上は「放棄する側がその年分を全額払って終わらせる」ことも多い。
  5. 税務申告
    翌年の確定申告時期に、贈与税が発生していないか、また譲渡所得(みなし譲渡)が発生していないかを確認し、必要であれば申告を行う。

なお、登記申請の手続きや贈与税の確認・申告等、個人で行うには難しいステップも含まれますので、司法書士や税理士といった専門家に相談しながら行うことを強くおすすめします。

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共有持分の放棄にかかる費用は?

共有持分の放棄に必要になる費用として、次の3つをご紹介します。

  1. 登録免許税
  2. 司法書士報酬
  3. 贈与税

費用①登録免許税

不動産の名義を変える際、国に納める税金です。

  • 計算式:不動産の固定資産税評価額 × 2%

持分の固定資産税評価額は、毎年市区町村から届く納税通知書から確認できます。

費用②司法書士報酬

先程お伝えした通り、持分を放棄する際は名義変更が必要であり、この手続きは司法書士に依頼することが一般的です。

相場は事務所によってさまざまですが、持分放棄(税務上の贈与)の場合は3~5万円程度が一般的です。

費用③贈与税(シミュレーション)

贈与税が必要な場合について、ここでは「評価額3,000万円の土地を、兄弟A・Bで1/2ずつ共有している」ケースを例に以下の通りご紹介します。

  • Bが得る利益:1,500万円
  • 贈与税額(一般贈与財産の場合):約366万円(※基礎控除110万円を差し引いて計算)

このように、「タダで手放す」はずが、持分を受け取った側に数百万円の税金がかかるという事態も起こり得るため、持分放棄の実行前にはこの点の精査を忘れず行ってください。

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他の共有者が協力してくれない場合の対処法

「放棄は自分の意思でできる」と言いましたが、それはあくまで「意思表示」の話です。登記簿上の名義を書き換えるには相手の協力(実印や書類の提出)が必要になります。

相手が「税金がかかるから嫌だ」「面倒なことに関わりたくない」と協力を拒んだ場合、以下の手段を検討する必要があります。

  • 登記引取請求訴訟
    持分を放棄した者が名義変更の権利を裁判所に訴える手続き。勝訴すれば、対象の共有者の協力なしに単独で登記手続きを進められるが、弁護士費用と時間がかかる。
  • 共有物分割請求
    不動産全体の共有状態を解消するために、裁判所を介して話し合う手続き。これも非常に手間と時間がかかるうえ、望み通りの分割方法が命じられるとは限らない。

このように、法的手段によって他の共有者に持分放棄の協力をさせるには、多大な手間とコスト・時間がかかるため、事前に話を通しておき、滞りなく協力を受けられる体制を整えておくことが大切です。

他の共有者の協力を得づらい場合は売却が有効

持分を手放して共有状態から抜け出したいものの、上記の通り他の共有者の協力が得られない場合は「売却」に切り替えるのが有効な手段です。

また、当社のような共有持分専門の不動産会社に依頼することで、売却完了に至るまでのあらゆるやり取りを全て丸投げでお任せいただけることも大きなメリットです。

「放棄も意外と面倒が多そうだ」「贈与税や他の共有者への連絡が心配」といった懸念をお持ちの方は、ぜひ当社センチュリー21中央プロパティーにお声がけください。

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まとめ

共有持分放棄は、法律で認められた「負の不動産」を断ち切るための有効な手段です。しかし、以下の3点には十分な注意が必要です。

  1. 相手(他の共有者)に高額な贈与税がかかるリスクがある。
  2. 登記手続きには相手の協力が必要になる。
  3. 売却した方が手元に残るお金も多く、トラブルも少ない。

こうした注意点を踏まえ、持分を手放して共有状態から抜け出したい方は、当社センチュリー21中央プロパティーにご相談ください。

長年に渡って持分のトラブル解決と売却の実績を積んできた当社が、お客様のご要望に合わせた最適な手段をご提案いたします。

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この記事の監修者
塩谷 昌則
塩谷 昌則弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。