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旧借地権で後悔する理由6選!買う前に知っておくべきリスクと回避策を解説

旧借地権で後悔する理由6選!買う前に知っておくべきリスクと回避策を解説

マイホーム探しの中で、周辺相場より安く売り出されている「旧借地権」の物件を目にし、心惹かれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、安いのにはそれなりの理由があります。
借地権、特に「旧借地権」付きの物件は、仕組みを正しく理解せずに購入すると、将来の建て替えや売却のタイミングで「こんなはずじゃなかった」と深く後悔することになりかねません。

本記事では、借地権専門の不動産会社の視点から、旧借地権で後悔する具体的な理由とリスク、そして後悔しないためのチェックリストを詳しく解説します。

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 そもそも「旧借地権」とは?

まず、借地権とは一言でいえば「地主から土地を借りて、自分名義の建物を建てて利用する権利」のことです。

一見シンプルな権利ですが、実は「いつ契約を結んだか=どんな法律に基づく権利か」によって借地人(=土地の借り手)の法的な守られ方が異なります。

ここでは、現在市場に出回っている借地権付き物件の大半を占める「旧借地権」の特徴を、次の2つのポイントから整理します。

  1. 旧借地権=1992年7月以前の契約がベース
  2. 旧借地権の特徴:借り手の権利が非常に強い

① 旧借地権=1992年7月以前の契約がベース

この記事で解説する「旧借地権」とは、1992年(平成4年)7月31日以前に締結された借地契約に適用される権利です。

1992年8月からは「借地借家法」という新法に切り替わりましたが、それ以前の契約は更新後も引き続き「旧法」が適用され続けます。

市場で売り出されている借地権付きの物件は、その多くがこの「旧借地権」に属するものであり、依然として日本の借地契約の主流となっています。

② 旧法借地権の特徴:借り手の権利が非常に強い

旧法借地権の最大の特徴は、「借地人の保護が極めて手厚い」点にあります。

一度契約すれば、地代の滞納といった信頼関係を損なう行為がない限り、地主側から更新を拒絶することは非常に困難です。

そのため、建物がある限りは実質的に半永久的に住み続けることが可能であり、借地人にとっては「所有権に近い感覚」で利用できる権利ともいえます。

以下の表で、新法の借地権との違いを比較してみましょう。

種類契約締結更新主な特徴契約期間
旧借地権
(旧法)
1992年7月31日以前可能借り手の権利が極めて強く、建物がある限り半永久的に更新可能。市場に出ている多くの物件が属する。・最低20年
普通借地権(新法)1992年8月1日以降可能旧法に近いが、更新拒絶の要件が旧法よりは明確化されている。一軒家に多い。・初回更新まで:最低20年
・更新2回目以降:最低10年
定期借地権(新法)原則不可能期間満了で必ず更地にして返還。更新という概念がない。マンションに多い。・最低50年

新法の普通借地権は、安定的に住み続けられるものの旧法に比べて契約期間が短くなっています。また、定期借地権は原則的に更新がないため、契約満了後は更地にして地主に土地を返さなければなりません。

こうした比較からも、旧借地権が借地人にとって有利な権利であることが分かります。
これほど借り手に有利な権利であるにもかかわらず、なぜ「後悔する」という声が絶えないのか、次章ではその具体的な理由を見ていきましょう。

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旧借地権付き物件を買って後悔すると言われる6つの理由

旧借地権は、その権利の強さとは裏腹に、実務上では多くのハードルが存在します。
ここでは、多くの人が旧借地権付きの物件を購入して後悔する理由として、以下の6つをご紹介していきます。

  1. 地主の承諾なしに「建替え・売却・リフォーム」ができない
  2. 地代・更新料・承諾料などの「継続的なコスト」が重い
  3. 地主との「人間関係」が生活の質を左右する
  4. 住宅ローンの審査が極めて厳しく、窓口が限られる
  5. 地価上昇の恩恵を受けられず、コスト増のリスクだけを負う
  6. 出口戦略(売却)が難しい

① 地主の承諾なしに「建替え・売却・リフォーム」ができない

旧借地権の建物は自分名義の財産ですが、その活用には常に地主の影がつきまといます。

建替えや大規模な増改築、さらには将来の売却や第三者への賃貸(転貸)に至るまで、原則として「地主の承諾」と「承諾料の支払い」が必要となります。

もし地主の承諾が得られない場合、「借地非訟(しゃくちひしょう)」という裁判所の手続きを通じて許可を得る手段もありますが、これには多額の弁護士費用と膨大な時間、そして精神的な労力がかかります。 

「自分の家なのに、自分の意志だけで決められない」という不自由さは、多くの借地人が入居後に感じる最大のストレス要因です。

② 地代・更新料・承諾料などの「継続的なコスト」が重い

所有権であれば固定資産税・都市計画税のみで済みますが、借地権の場合は地主に対して「地代」をはじめとした対価を継続的に支払い続ける義務があります。

▼旧借地権の購入後に必要なランニングコスト

  • 地代: 立地によっては年間100万円を超えるケースも多い。
  • 更新料: 契約更新時には、都市部であれば百万円単位の更新料を求められるのが一般的。
  • 各種承諾料: 建て替えや売却に関しても100万円単位の「承諾料」が発生する。

こうしたさまざまな経済的負担を踏まえて、「物件価格は安かったが、生涯コストで計算したら所有権を買うのと大差なかった」という後悔は、借地権物件において非常によくあるケースです。

③ 地主との「人間関係」が生活の質を左右する

借地契約は、地主と借地人の強い信頼関係(相互の信頼)の上に成り立つものです。

物件自体に満足していても、地主とのコミュニケーションが円滑でないと、日々の生活に暗い影を落とします。

特に注意が必要なのが、地主の代替わり(相続)です。
先代とは良好な関係だったとしても、相続した子供世代が「地代を大幅に値上げしたい」「契約期間が切れたら返してほしい」と強硬な姿勢に転じるリスクは否定できません。

こうした人間関係の煩わしさを避けたい人にとって、借地権は心理的ハードルの高い選択肢となります。

特に旧借地権は契約が長期になりやすいため、地主との関係性が悪化した際の心理的負担は非常に大きなものとなるでしょう。

④ 住宅ローンの審査が厳しく購入資金の調達が難しい

これは購入前の話になりますが、旧借地権付きの物件は担保価値が低く、「そもそも購入するための住宅ローンが組めない」という大きな問題が存在します。 

銀行にとって土地は最も価値のある担保ですが、借地権ではその土地が借り物であることから、担保に取ることができません。
そのため、担保価値が低く見積もられ、住宅ローンの審査は非常に厳しくなります。

大手都市銀行やネット銀行では門前払いされることもあり、利用できる金融機関も所有権と比べるとかなり限定的です。
最悪の場合、希望額に届かず「現金一括で購入せざるを得ない」という状況に追い込まれる可能性もあります。

⑤ 地価上昇の恩恵を受けられず、コスト増のリスクだけを負う

不動産投資や資産形成の観点から見ると、借地権は不利な側面が目立ちます。

土地の所有権がないため、将来的に周辺の地価が高騰してもその恩恵を受けるのは土地の所有者である地主だけです。

むしろ借地人にとっては、地価が上がることで「地代の値上げ要求」をされるリスクが高まるという構造になっています。

「住んでいるだけで資産価値が上がる」という所有権ならではのメリットは、借地権には期待できません。

⑥ 出口戦略(売却)が難しい

「手放す時の難しさ」も、旧借地権付き物件の大きなデメリットです。

上で挙げたような述べたような制限やコスト、融資の難しさを知っている買い手は、借地権付き物件というだけで購入を敬遠します。

そのため、いざ売却しようとしても買い手が見つからず、売れたとしても所有権より大幅に安く買い叩かれてしまう可能性が高いのです。

こうした理由から、老後資金の計画などが狂ってしまうという後悔が後を絶ちません。

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旧借地権を「買っても後悔しない人」と「絶対に避けるべき人」の境界線

前章では旧借地権のデメリットをご紹介してきましたが、リスクばかりではありません。

以下で、旧借地権を買っても後悔しない人と避けるべき人のポイントをまとめましたので、ぜひご自身に当てはめてご検討ください。

旧借地権を買って後悔しない人:利便性重視、建て替え予定がない人

  • 都心の一等地に住みたい人: 所有権では手が届かない港区や渋谷区などの好立地でも、借地権なら手が届くことがある。
  • 一生の居住地として考えている人: 売却を前提とせず、自分が一生住む場所として利便性を最優先にするなら、初期費用を抑えられるメリットは大きい。
  • 地主との関係性を苦にしない人: お寺や神社が地主の場合、代々貸し出していることが多く、個人地主に比べてトラブルが少ない傾向が見られる。

旧借地権を避けるべき人:資産価値や自由度を重視する人

  • 自分の思い通りに家を活用したい人: 何をするにも地主の承諾とお金が必要なため、自由度が低いことにストレスを感じる人は所有権を選ぶべき。
  • 地主とのコミュニケーションを避けたい人: 定期的な地代の支払いや更新時の交渉など、地主との接点は一生続く。
  • 投資・資産形成を考えている人: 売却時に価格が下がりやすく、融資も付きにくいため、出口戦略を描きにくい。

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後悔を未然に防ぐ!旧借地権の購入前チェックリスト

「安さ」というメリットに目を奪われがちですが、旧法借地権物件の購入で失敗しないためには、契約前に「権利の安全性」と「地主との関係性」を徹底的に精査する必要があります。

ここでは、旧借地権付き物件の購入を決める前に必ず確認すべき3つの重要ポイントを解説します。

  1. 借地権の「対抗要件」が備わっているか
  2. 契約内容(期間・地代・更新条件・特約)の精査
  3. 地主の属性や「過去のトラブル履歴」の確認

ポイント①:借地権の「対抗要件」が備わっているか

不動産取引において、自分の権利を第三者に主張できる状態を「対抗要件」と呼びます。

通常、所有権であれば土地の登記を確認しますが、借地権の場合は「借地上の建物が自分(借地人)の名義で正しく登記されていること」が、土地を借りる権利を証明する手段となります(借地借家法第10条)。

もし建物が未登記であったり、亡くなった前所有者の名義のまま放置されていたりすると、万一地主が土地を第三者に売却した際、新しい地主から「不法占拠だ」として立ち退きを迫られることもあり得ます。

そのため、司法書士や不動産会社を通じて最新の登記事項証明書を確認し、名義変更の手続きに不備がないか、現在の名義人が誰になっているかを重点的にチェックしましょう。

ポイント②:契約内容(期間・地代・更新条件・特約)の精査

旧法借地権の物件を購入する際は、前所有者(売主)と地主の間で結ばれていた賃貸借契約の内容をそのまま引き継ぐのか、あるいは新たに結び直すのかを明確にする必要があります。

特に注視すべきは、更新料や建て替え承諾料の算出根拠、地代の改定ルールがどう定められているかという点です。

もし契約書の中に、購入者にとって著しく不利な条件や、将来的な負担が不明確な条項が含まれている場合は、事前の交渉が欠かせません。

これらのリーガルチェックは非常に専門的な知識を要するため、代金を決済する前に借地権に精通した専門家に内容を精査してもらうのが安心です。

ポイント③:地主の属性や「過去のトラブル履歴」の確認

借地権物件において、地主との良好な関係は「安定した住まい」の基盤となります。

建物や立地条件に問題がなくても、地主とのコミュニケーションが円滑でない場合、将来の修繕や売却の際に大きな障壁となる可能性があるからです。

そのため、購入予定の物件を扱う仲介会社などを通じて、地主の人柄や過去に前所有者とトラブルがなかったか、あるいは近隣の地代相場と乖離した要求をしていないかといった情報を収集してください。

地主が個人なのか、寺社仏閣や法人なのかによっても管理のスタンスは異なります。

今後数十年にわたって誠実な付き合いができる相手かどうかを見極めることが、最大のリスク回避に繋がります。

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まとめ

旧借地権は、正しく理解して選べば「都心の好立地に安く住める」という大きな魅力がありますが、住宅ローンのハードルや将来の承諾料、地主との人間関係など、所有権にはない特有のリスクがあることも事実です。

後悔しないためには、購入前に契約内容や将来の出口戦略を踏まえ、「自分のライフスタイルに合うか否か」を基準に徹底的に考慮することが欠かせません。

当社センチュリー21中央プロパティーは、借地権専門の不動産会社として、これまで多くのトラブル解決・売却に携わってまいりました。
ご不明点や懸念があれば、小さなことでもお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
塩谷 昌則
塩谷 昌則弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。