親から実家や土地を相続したものの、「売却の手続きが分からない」「税金が高そうで不安」と悩んでいませんか?
相続不動産の売却は、通常の不動産売却とは異なり、遺産分割協議や名義変更(相続登記)といった専門的な手続きが必要です。
また、特例をうまく活用できるかどうかで、手元に残る金額に数百万円もの差が出るケースも珍しくありません。
この記事では、相続不動産を売却する具体的な手順や、知っておくべき税金・費用の知識、トラブルを回避するポイントを分かりやすく解説します。
目次
相続した不動産を売却する基本的な流れ
相続した不動産を売却するには、まず相続人を確定させ、物件の名義を故人から相続人へ変更しなければなりません。
売却代金を現金化して分配する「換価分割」を行う場合でも、以下の7つのステップを順に進めていく必要があります。
- 遺言書の確認と相続人の調査・確定
- 遺産分割協議で「誰が・どのように」相続するか決める
- 法務局で相続登記(名義変更)を行う
- 不動産会社へ査定を依頼し媒介契約を結ぶ
- 売却活動を開始し購入希望者と交渉する
- 売買契約の締結と決済・引き渡し
- 売却翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行う
Step1.遺言書の確認と相続人の調査・確定
手続きのスタートは、被相続人(亡くなった方)が遺言書を残しているかどうかの確認です。
遺言書があれば、原則としてその内容に従って遺産を引き継ぐ人を決定します。
遺言書がない場合は、法律で定められた相続人(法定相続人)全員を特定するために、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を収集して調査を行わなければなりません。
この段階で相続人の範囲を正確に把握しておかないと、後の遺産分割協議が無効になる恐れがあるため注意しましょう。
Step2.遺産分割協議で「誰が・どのように」相続するか決める
相続人が確定したら、全員で遺産の分け方について話し合う遺産分割協議を行います。
不動産を売却する場合、誰がその不動産を取得して売却手続きを進めるのか、売却代金をどのように分配するのかを明確に決めなければなりません。
話し合いがまとまったら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名と実印での押印を行います。
この書類は、次のステップである相続登記や、将来の税務申告で必ず必要になる重要な書類です。
Step3.法務局で相続登記(名義変更)を行う
不動産を売却するためには、登記名義を被相続人から相続人へ変更する相続登記が必要です。
亡くなった人の名義のままでは、第三者である買主に所有権を移転することができません。
管轄の法務局へ必要書類を提出して申請を行いますが、戸籍謄本や遺産分割協議書など多くの書類が求められます。
なお、令和6年4月1日から相続登記は義務化されており、放置すると過料の対象となる可能性があるため、早めの対応を心がけましょう。
センチュリー21中央プロパティーでは、こうした煩雑な相続登記や遺産分割協議についても、提携する司法書士と連携して一気通貫での代行が可能です(※売却前提の場合)。
Step4.不動産会社へ査定を依頼し媒介契約を結ぶ
名義変更の目処が立ったら、不動産会社に物件の査定を依頼して、いくらで売れそうか相場を把握します。
相続不動産は、築年数が古い実家や権利関係が複雑な土地であることも多いため、相続案件に慣れている不動産会社を選ぶことがポイントです。
査定価格や売却方針に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結し、正式に売却活動を依頼します。
なお、当社では不動産鑑定士とAIによる「ダブル査定」を導入しており、24時間以内に客観的根拠に基づいた高額査定の提示が可能です。
Step5.売却活動を開始し購入希望者と交渉する
媒介契約を結ぶと、不動産会社はレインズ(指定流通機構)への登録やポータルサイトへの掲載を行い、買い手を探します。
購入希望者が現れたら、物件の内覧(内見)に対応し、実際の建物の状態や周辺環境を確認してもらいます。
その後、購入希望者から「買付証明書」が提出されたら、価格や引き渡し時期などの条件交渉を行います。
相続人が複数いる場合は、窓口となる代表者が他の相続人に進捗を報告しながら、全員の合意のもとで交渉を進めるとトラブルを防げます。
Step6.売買契約の締結と決済・引き渡し
条件が整ったら、買主と売買契約を締結します。
この際、売主は買主から手付金を受け取り、仲介手数料の一部を不動産会社へ支払うのが一般的です。
後日、残代金の決済と同時に物件の引き渡し(所有権移転登記)を行います。
決済時には、固定資産税や都市計画税の清算も日割り計算で行われ、これで売却取引自体は完了となります。
Step7.売却翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行う
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納める必要があります。
たとえ利益が出ていなくても、後述する「3,000万円特別控除」などの特例を利用して税金をゼロにするためには、確定申告が必須です。
申告を忘れると、無申告加算税などのペナルティが課されるだけでなく、せっかくの節税特例が使えなくなるため絶対に忘れないようにしましょう。
相続不動産の売却にかかる税金と諸費用
相続した不動産を売却する際には、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。
税金や手数料などの諸費用を差し引いた金額が、最終的な手取り額となります。
主な費用項目は以下の通りです。
| 費用項目 | 概要と目安 |
| ①譲渡所得税・住民税 | 売却益が出た場合に課税。所有期間により税率が異なる |
| ②印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙代 |
| ③登録免許税 | 相続登記や抵当権抹消登記にかかる税金 |
| ④仲介手数料 | 売却成立時に不動産会社へ支払う成功報酬 |
| ⑤その他諸費用 | 測量費、解体費、廃棄物処分費など |
費用①:利益が出た場合にかかる「譲渡所得税・住民税」
不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対してかかるのが、所得税と住民税です。
この税金は、売却価格から「取得費(購入時の価格など)」と「譲渡費用(仲介手数料など)」を差し引いた金額に対して課税されます。
税率は、その不動産を所有していた期間によって異なり、相続の場合は「被相続人が取得した日」から期間を引き継いで計算します。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):税率39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):税率20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
費用②:売買契約書に貼付する「印紙税」
不動産の売買契約書は課税文書に該当するため、契約金額(売却価格)に応じた収入印紙を貼って消印する必要があります。
印紙税額は契約金額によって決まっており、例えば売却価格が1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減税率適用時)です。
売主と買主がそれぞれ1通ずつ契約書を作成する場合は、双方で負担します。
費用③:名義変更に必要な「登録免許税」
Step3で解説した相続登記を行う際に、国に納める税金です。
税額は「固定資産税評価額 × 0.4%」で計算されます。
また、司法書士に登記手続きを依頼する場合は、別途数万円〜10万円程度の司法書士報酬が必要になります。
売却する不動産に住宅ローンなどの抵当権が残っている場合は、その抹消登記にも登録免許税(不動産1個につき1,000円)がかかります。
費用④:不動産会社に支払う「仲介手数料」
売買契約が成立した際に、仲介を依頼した不動産会社へ支払う手数料です。
宅地建物取引業法により上限額が定められており、売却価格が400万円を超える一般的なケースでは、以下の速算式で算出します。
| (売却価格 × 3% + 6万円) + 消費税 |
例えば、3,000万円で売却できた場合の上限額は、税込で約105万6千円となります。
これは成功報酬であるため、売却が成立しなかった場合には支払う必要はありません。
費用⑤:その他に必要な費用(測量費・解体費・遺品整理費など)
物件の状況によっては、追加の費用が発生することがあります。
土地の境界が不明確な場合は、隣地所有者との立ち会いのもとで境界を確定させるための「測量費」が必要です。
また、古家を解体して更地として売る場合は「解体費」、家の中に家具や荷物が残っている場合は「残置物撤去費(遺品整理費)」がかかります。
これらの費用は数十万円から数百万円単位になることもあるため、事前に見積もりを取って資金計画に組み込んでおくことが大切です。
通常、これらの諸費用は売主様の負担となりますが、センチュリー21中央プロパティーでは、仲介手数料や弁護士費用に加え、通常高額な相続登記や測量、残置物撤去等の諸費用も全て0円(売主負担なし)で対応しております。
【税負担を軽減】相続不動産の売却で使える4つの特例
相続不動産の売却においては、要件を満たすことで税金を大幅に減らせる、以下のような特例制度が用意されています。
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除
- 相続税の取得費加算の特例(相続後3年10ヶ月以内)
- 居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除
- 小規模宅地等の特例(相続税評価額の減額)
これらを知っているかどうかで最終的な手取り額が大きく変わるため、必ずチェックしておきましょう。
特例①:被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除
相続した実家(空き家)を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
適用されれば、利益が3,000万円までなら税金がかかりません。
ただし、「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)」「相続から売却までずっと空き家であること」「耐震リフォームをするか、更地にして売却すること」など、厳しい適用要件があります。
また、売却代金が1億円以下であることも条件の一つです。
特例②:相続税の取得費加算の特例(相続後3年10ヶ月以内)
相続税を支払った人が、相続開始から3年10ヶ月以内にその不動産を売却した場合に使える特例です。
支払った相続税の一部を、譲渡所得の計算上で「取得費」として加算することができます。
取得費が増えることで譲渡所得(利益)が圧縮され、結果として所得税や住民税が安くなります。
相続税の申告期限から3年以内という期限があるため、早期売却のメリットの一つと言えます。
特例③:居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除
相続した家に相続人自身が住んでいた場合、その家を売却する際に利用できる特例です。
マイホーム(居住用財産)の売却として扱われ、譲渡所得から最大3,000万円が控除されます。
これは所有期間の長短に関わらず適用できる強力な節税手段です。
ただし、前述の「空き家の3,000万円控除」や「住宅ローン控除」とは併用できない場合があるため、どちらを使うのが有利かシミュレーションが必要です。
特例④:小規模宅地等の特例(相続税評価額の減額)
これは売却時の税金(譲渡所得税)ではなく、相続時にかかる「相続税」を計算する際の特例です。
被相続人が住んでいた土地や事業に使っていた土地を相続する場合、一定の要件を満たすと、その土地の評価額を最大80%減額できます。
評価額が下がれば相続税が大幅に安くなるため、遺産分割の段階からこの特例の適用を意識して、誰が土地を相続するかを決めることが重要です。
【要注意】相続不動産の売却で陥りやすい4つのトラブル事例
相続不動産の売却には、一般の不動産にはない、以下のようなトラブルのリスクが存在します。
- 共有名義の不動産で売却価格や配分の意見が割れる
- 実家が古く「境界線」が不明確で境界確定が必要になる
- 登記済証(権利証)が見当たらない・未登記の建物がある
- 借地権や底地など権利関係が複雑で売却が難航する
トラブル①:共有名義の不動産で売却価格や配分の意見が割れる
最も多いのが、不動産を複数の相続人で共有名義にしてしまったことによるトラブルです。
共有不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要です。
「売りたい人」と「残したい人」で意見が対立したり、売却価格について「もっと高く売れるはずだ」と揉めたりすると、いつまでも売却できません。
安易に共有名義にするのではなく、できるだけ換価分割(売却して現金を分ける)などで単独名義の状態に整理することをおすすめします。
もし話し合いが平行線をたどる場合は、他の共有者の同意を得ることなく、自身の持分のみを売却する方法も有効です。
当社センチュリー121中央プロパティーでは、ご自身の持分のみを最短7日〜2週間のスピードで現金化し、共有関係からの離脱をサポートいたします。
トラブル②:実家が古く「境界線」が不明確で境界確定が必要になる
古い戸建てや土地では、隣地との境界杭が見当たらなかったり、図面と現況が異なっていたりすることがよくあります。
境界が曖昧なままでは、買主が購入後に隣人とトラブルになるリスクがあるため、売却が難航します。
売却にあたっては、土地家屋調査士に依頼して測量を行い、隣地所有者の立ち会いのもとで境界確定図を作成する必要がありますが、隣人の協力が得られずに時間がかかるケースもあります。
トラブル③:登記済証(権利証)が見当たらない・未登記の建物がある
親が長年保管していたはずの「登記済証(権利証)」が見つからないというケースも少なくありません。
権利証がなくても売却手続きは可能ですが、本人確認情報作成のために司法書士への追加費用が発生します。
また、敷地内に登記されていない増築部分や倉庫(未登記建物)があると、そのままでは所有権移転ができないため、表題登記を行う必要性が出てきます。
これらは手続きに時間を要するため、売却スケジュールの遅延につながります。
トラブル④:借地権や底地など権利関係が複雑で売却が難航する
相続した家が「借地権付き建物」であったり、逆に他人に貸している土地(底地)であったりする場合、権利関係が複雑になります。
借地権の売却には地主の承諾が必要ですし、承諾料(名義書換料)を支払わなければならないケースがほとんどです。
一般的な不動産会社ではこうした権利調整のノウハウが乏しく、取り扱いを断られたり、相場よりかなり低い価格でしか売れなかったりすることがあります。
当社センチュリー21中央プロパティーは、共有持分や借地権・底地などの相続不動産に特化した不動産仲介会社であり、累計4万件以上の豊富な解決・売却実績を持っています。
また、約1,000名の投資家が参加する、センチュリー21グループ独自の「オークション制度」により、市場で敬遠されがちな物件でも最高値での売却を目指せます。
相続に強い不動産会社を見極める3つのポイント
相続に強い不動産会社を見極めるポイントは、主に以下の3点です。
- 相続専門の部署や法務・税務に精通したスタッフがいるか
- 弁護士や司法書士・税理士と連携しワンストップで対応できるか
- 共有持分や借地権など「訳あり物件」の解決実績が豊富か
ポイント①:相続専門の部署や法務・税務に精通したスタッフがいるか
相続不動産は、不動産の知識だけでなく、民法や税法の知識が不可欠です。
相続専門のチームや部署を持っている会社であれば、遺産分割や特例の適用要件などについても的確なアドバイスが期待できます。
担当者が相続の流れを詳しく説明できるか、質問に対して曖昧な回答をしないかを確認しましょう。
ポイント②:弁護士や司法書士・税理士と連携しワンストップで対応できるか
売却手続きの過程では、相続登記には司法書士、税申告には税理士、揉め事の解決には弁護士といった専門家の力が必要になります。
これらを個別に探して依頼するのは、相続人にとって大きな負担です。
各専門家と提携しており、窓口一つでワンストップのサポートを受けられる不動産会社を選べば、手間と時間を大幅に削減できます。
センチュリー21中央プロパティーには社内弁護士が常駐しており、いつでも法的な観点からの助言や契約書確認、売却後のトラブル対応が可能となっております。
ポイント③:共有持分や借地権など「訳あり物件」の解決実績が豊富か
もし相続した不動産が共有持分のみであったり、借地権や底地であったりする場合は、一般的な仲介会社では対応が難しいのが現実です。
こうした「訳あり物件」と呼ばれる不動産の取り扱い実績が豊富で、権利関係の調整を得意とする会社を選ぶべきです。
トラブル解決の実績数や、過去の事例をホームページなどで確認してみると良いでしょう。
まとめ:相続不動産の売却は期限と専門性を意識して早期解決を
相続不動産の売却は、相続税の申告期限や特例の適用期限、さらには相続登記の義務化など、時間の制約がある中で進めなければなりません。
放置すればするほど、建物の老朽化や親族間の関係悪化など、リスクは高まる一方です。
円満かつ有利な条件で売却を完了させるためには、相続分野に特化した専門家のサポートが不可欠です。
センチュリー21中央プロパティーは、相続不動産を専門とする不動産仲介会社であり、これまでに4万件を超えるトラブル解決・売却をサポートしてまいりました。
社内弁護士や司法書士・税理士との連携により、いつでも法的な観点からの助言やトラブル対応が可能。
さらに、仲介手数料や弁護士費用に加え、通常高額な相続登記や測量、残置物撤去等の諸費用も全て0円(売主負担なし)で対応しております。
相続した不動産の売却でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
相続不動産の売却に関してよくある質問
相続不動産の売却に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。
Q1.相続登記がまだ済んでいませんが、売却の査定は可能ですか?
A.はい、査定自体は可能です。
ただし、実際に売買契約を結んで引き渡しを行うまでには、相続登記を完了させる必要があります。
査定の段階から司法書士と連携できる不動産会社に依頼すれば、登記手続きと売却活動を並行してスムーズに進めることができます。
Q2.実家に荷物(残置物)が大量に残っていますが、そのままでも売れますか?
A.そのままでも査定や売却活動は可能ですが、引き渡しまでに撤去するのが原則です。
荷物が残ったままでは部屋が狭く見え、買主への印象が悪くなるため、早めに片付けた方が高く売れる可能性があります。
遺品整理業者を紹介してくれる不動産会社や、残置物撤去費用を負担してくれるサービスを行っている会社を選ぶのも一つの手です。
Q3.地方にある相続不動産でも対応してもらえますか?
A.不動産会社によって対応エリアが異なります。
全国対応のネットワークを持つ大手や、その地域に根ざした地場の業者であれば対応可能です。
遠方の場合は、オンラインでの面談や電子契約に対応している会社を選ぶと、移動の手間や交通費を抑えられます。
Q4.相続人の中に認知症の親族がいる場合、どうすれば売却できますか?
A.原則として「成年後見人」を選任する必要があります。
ただし、成年後見制度を利用して居住用の不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要になるなど、通常の売却よりもハードルが非常に高くなります。
個別の状況によって最適な方法は異なるため、手続きを進める前に、弁護士が常駐する当社へ一度ご相談ください。

